Top > Kanon > 第15話「かくれんぼの小奏鳴曲~sonatine~」

あらすじ

佐祐理の敵を討つため舞と祐一は夜の学校で魔物と戦っていた。祐一が1体の魔物と戦い時間稼ぎをしている間に、舞は別のもう1体を倒す。結局祐一達は魔物を2体倒すと、舞の全身に大きなあざが広がっていく。舞のあざは、魔物を倒したときから酷くなっているようだった。あざのせいで舞が動けないこともあり屋上へと続く階段で休む二人。舞は祐一に側にいて欲しいと願う。しかしそんな二人を続けざまに最後の魔物が襲った。動けない舞は階段の高さを利用し、剣で斬りつけるも最後の魔物にとどめは刺せなかった。魔物の狙いは祐一。舞が裏庭へと大きく叫ぶと祐一は囮となって裏庭めがけて駆け出す。途中祐一は魔物が何か自分に伝えたいことがあるのではないかと思い始めた。魔物の攻撃で教室から裏庭の雪の中にたたき落とされた祐一は、魔物との距離を稼ぎ迎え撃つ。しかし、魔物の力に押され絶体絶命となった祐一だったが、その時、屋上から魔物めがけて舞が飛んだ。全身の力全て使って剣を振り下ろすと最後の魔物にとどめを刺したのだった。

祐一は倒れた舞を教室に運び、お腹が減ったという舞のために牛丼を買いに出かける。ささやかな祝杯のつもりで牛丼を買って戻ってきてみると教室に舞の姿はなかった。祐一はもう一体魔物が残っていたと理解すると、舞の姿を探す。廊下を走る祐一だったが途中、最後に残った魔物と遭遇する。魔物は祐一に子供の頃の舞の記憶を見せるのだった。舞の子供の頃、母親は病気で入院していた。どんどん体力を奪われ生気をなくす舞の母。死を覚悟した母は舞を動物園に連れて行くと言い出す。しかし母の衰えた体力は限界で病院の外に出るのがやっとだった。それから暫く経ったある日、舞の母親は酸素マスクをつけられ絶対安静となる。舞は元気になってと涙を流し願った。そんな願いが通じたのか舞には不思議な力が宿っていた。その不思議な力で、病気の母親を死の淵から救い出したのだった。その後、舞はこの奇跡の力を使いテレビに出演する。しかし、それが元で周囲からは奇異の目で見られ、嫌がらせを受けた舞の親子は居場所を失った。舞親子が住む場所を変えた時から暫く経ったある日、麦畑のなかで舞は祐一と出会う。二人は友達になり、毎日のように遊んだ。祐一は舞の持っている奇跡の力も全て受け入た。そんな二人に別れの時が近づいた。祐一は夏休みの間だけ水瀬家にいた。だから祐一は帰らなければならなかったのだ。舞の家に電話をし別れを告げる祐一だったが、舞は祐一と別れたくないあまりいつもの遊び場所に魔物が来ると嘘をついた。それから、舞と魔物との戦いが始まった。

全てを知った祐一は、舞を探し出すと魔物の正体について語る。魔物の正体である舞の力は祐一に伝えたいことがあった。ただ、力が強すぎて祐一には理解できなかった。しかし、魔物が倒され最後の1体になったとき舞の力が弱まり祐一はやっと伝えたいことが何であるのかが分かった。魔物が嘘であると舞自信が受け入れれば魔物は消えると舞の力は祐一に伝えたかったのだ。祐一はそう舞に伝えると、舞は剣で自分の胸を貫いた。倒れた舞を抱き留める祐一は、舞の力の声を聞く。祐一は長い間待たせたと謝ると、舞の力にもうどこにも行かないと約束した。そう約束すると、舞の傷がふさがっていく。舞の力は舞の希望そのものだったのだ。いつの間にか夜が明け朝日が差し込む中、祐一は夢から覚める時間だと舞を起こすのだった。

感想

舞のエピソード完結編。ちょっと物足りない印象が。

真琴のエピソードのできが良かったせいか、舞のエピソードは、全体的にちょっと物足りない印象を受けた。
もしかしたら、真琴以上に感動させてくれるのかもしれないと期待しすぎたことからかもしれないのだが。
ただ、全体的にいっては、決してつまらないエピソードではない。
実際この15話を見て、ひとりぼっちの舞を見て。そして自分の力を使ってテレビに出ることで周囲からの好奇の目で見られ、前の街にいられなくなったシーンで涙もした。
そして、祐一と離ればなれになりたくないという思いから、魔物という存在を作り出し、それと戦い待っていた舞。舞の希望そのものが舞の傷を治し、幼い頃ついた嘘を時を経て舞が認める。この終わり方もかなり綺麗だ。
全体的に言えば、かなり良いエピソードだと思うのだが、どうしても真琴のエピソードと比べてしまう。。。

現実離れ

舞のエピソードは、全体的に「魔物」だったり「奇跡の力」に代表されるようなことから、ちょっと現実離れしているエピソードかなという印象が強い。というのは、確かに真琴のエピソードも、現実離れしているエピソードだと思うのだが、私にとって舞のエピソードは、より遠くのファンタジーという印象だ。これは、舞のエピソードの最終話で舞の力の正体が急に出てきたため、この設定を咀嚼するのに、私自身が時間が掛かってしまっているという感じだ。。。

あー難しいな。上手く言いたいことを説明できない。。。(^^;

誤解して欲しくないのは、舞のエピソードがダメと言っている訳ではないこと。。。

私としては、もう一つのテーマになっているであろう、「衆目に晒されるヒロイン」こっちで、上手くエピソードを引っ張って欲しかったなぁとも思うのだ。
例えば、舞の力である魔物のせいで舞は良くない噂を立てられるといったことでも、生徒会長の「舞が退学してしまう」の方に目がいってしまって、舞が他の生徒達から「嫌われている」とか「好奇の目で見られる」という方が上手く伝わらなかった。目立たなかったように思うのだ。
結論的に言えば、魔物の謎で引っ張りすぎたというのかな。。。エピソードの謎の方に視点が移ってしまって、「衆目に晒されるヒロイン」というテーマが、ちょっと薄かったのかなという印象だ。

過去舞のついた嘘が原因で、といった舞の力の存在というところに、うまく視点移動が出来れば、あまり違和感を感じないのだろうけど、これまでのエピソードの流れから、どうしても「衆目に晒されるヒロイン」という視点でも見てきているので、この先入観が邪魔して、私自身が「舞の力」という方向へ物語の論点を上手くスイッチできなくて、物語の流れを捉えきれなかった。

上手く説明できてなくて申し訳ないけど、結局言いたいことは、「舞の力」が急に出ていたような印象を持ってしまって物語を上手く捉えきれなかったので、「衆目に晒されるヒロイン」というテーマも表現することを併せてもう1話ぐらい欲しかったなぁといった感じだ。

原作ではどうなっているのかな

たぶん、京アニが作っていることから、原作の忠実度はかなり高いと思われる。舞のエピソードのテーマというのは原作でどう扱われているのか、見てみたい。これは、佐祐理のエピソードも、時間の関係上で短くなっていたと思うので、このエピソードも併せて知りたいなぁと思った。

やっぱ絵は綺麗

舞のエピソードは全体的に、動きで見せるシーンが多かったと思う。
しかも本当に良く動く。綺麗に動く。アングルも良い。
今回の話でも、舞が屋上から地上にいる魔物に向かって剣を振るシーンの躍動感は、かなり見所ではないかと思う。あのクオリティーの高さに、感動した。
そして、オープニングを見た感じだとススキの野原だと思っていたのは麦畑だったのだが、麦一つ一つも上手く描かれていて、相変わらず芸が細かいなあということも感じた。

エフェクトもすごいなぁ

前作のハルヒから思っていることだが、朝倉と戦闘するシーンなどで使われていた背景のエフェクトや、今回のKanonの魔物が消えるシーンなどの視覚的なエフェクトがかなり見ていて綺麗だと思う。
そして、エフェクトなのかは分からないのだけれど、冬の話だけに雪の描き方がかなり綺麗だ。雪にも沢山の種類があるように、毎回雪の描き方が違うというのも、クオリティーの高さが覗える。

雑記

書いてて思ったけど、体調と一緒で毎日書いていると文章の質も、その日によって違うなぁと最近よく思います。
今日は、あまり上手くまとめられない日でした。
Kanonは良い作品だけに、出来るだけ綺麗にまとめたいなぁって思っているのだけれど、なかなか一定した文章を書くのは難しいですね。

特にKanonは私の中で、上手くまとめられるときとまとめられないときの差が激しい作品です。

コメント


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Last-modified: Sat, 22 Nov 2008 05:57:22 JST (5628d)